こんにちは!ロサンゼルスで移民弁護士をやっているArthur Kawaharaです。
今回はみなさんが、一番馴染みがあると思われる就労ビザ、『H-1Bビザ』の抽選、についてお話をしたいと思います。
この記事は次のような方におすすめ!
- H-1Bビザの抽選に漏れてしまったので、他の選択肢を考えたい。😢
- 今は学生ビザのOptional Practical Training ("OPT")で仕事をしているが抽選に漏れてしまった場合、学校に戻ることも選択肢なのか?🤔
- H-1Bビザではなくグリーンカードの申請も選択肢なのか?🤔
H-1B ビザの発行数(H-1B Cap)は1年に65,000、それとは別枠で、アメリカで修士号を取得された方向けに20,000あります。
現在、毎年3月に抽選が行なわれ、抽選を通過した場合、申請ができるというシステムになっています。抽選に漏れてしまった場合、翌年まで待つ必要があり、それまで合法的にアメリカに滞在できない可能性もあります。その場合に他の方法を考える必要が出てきます。
考えられる選択肢は・・・
1. 他のビザカテゴリーを探す
H-1Bだけでなく他にも適切なビザがある可能性もあります。
たとえば、L-1ビザ(企業内転勤者ビザ)、Oビザ(特殊能力者ビザ)、Eビザ(投資家ビザ)などがあります。それぞれのビザカテゴリーには要件があり、対象となる場合もあれば、対象外となる場合もあります。他の選択肢もあるため、移民弁護士に相談して、最適なビザカテゴリーを探してみることをお勧めします。
また、学生ビザのOPTで就労されている方の中にはSTEM OPTの申請が可能な方もいるかもしれません。STEM OPTは通常のOPT12ヶ月に加えて24ヶ月長く就労することが可能になるので、以下に詳しく書いていますが、H-1Bの抽選に再度挑戦できるようにもなります。
2. 再度学校に通う
現在、学生ビザのOPTで職業研修をされている方に限られますが、再度学校に通うことで合法的にアメリカに滞在することができます。一般的に、学生ビザは就労不可能なこと、学費の負担があるというデメリットがありますが、合法的にアメリカに滞在し、勉強しながら次回のH-1Bの抽選に向けて準備する、ということが可能になります。
3. H-1B Cap Exemptの雇用主を探す
H-1B Cap Exempt とは、H-1Bの年間発行数(H-1B Cap)から除外される特定の雇用主を指します。米国の大学やカレッジと関係のある非営利団体、研究機関、医療機関、および研究や教育を主な目的とする営利団体などが、H-1B Capから除外されることがあります。
Cap除外のH-1Bビザは、年間発行できるビザの数の制限から除外されるため、H-1Bビザの抽選に左右されることなく、1年中いつでもビザを申請できます。特に専門的なポジションに外国人労働者を急遽雇用する必要がある雇用主にとっては、この方法も選択肢です。
4. H-1Bの抽選に再度登録
H-1Bビザの抽選は年に1回ですが、翌年、また新しく申請することができます。移民弁護士に相談して、次のチャンスに向けた戦略を立てることが重要です。
5. 雇用ベースによるグリーンカードの申請
H-1Bを含めた就労ビザの申請だけでなく、他に就労ビザが無い場合でも雇用主がスポンサーになってグリーンカードの申請も一つの選択肢として挙げられます。
ただし、この選択肢の場合、かなりの時間を要するため、グリーンカードの申請者は例外(恩赦)を除いて合法的にアメリカに滞在しているか、アメリカ国外で待機する必要が出てきます。また申請者は合法的に就労もできないので、雇用主もポジションを空けて待つ必要があり大きな負担になることも考えられます。
以上の選択肢は、あくまでも一般的なものです。個々のケースによって最適な選択肢は異なりますので、移民弁護士に相談することをお勧めします。